マルヤナギ(株式会社マルヤナギ小倉屋)

進化する佃煮工場

過酷な環境下で築き上げた味と気合い

20年前の釜場

今から20年以上前のこと、入社当時に私が担当していた釜場(佃煮を炊くところ)の環境は非常に厳しいものでした。特に夏、釜場の暑さといったら尋常なものではありません。大きな釜から湯気が噴出している上から、覆いかぶさるようにして炊いている佃煮が焦げないように頻繁に混ぜながら作業していました。一回混ぜると全身から汗が噴出し、着替えてボイラー室で何回も作業着を干しながら着替えを繰り返していました。

そんな現場ですから自然に先輩は大きな声で指示を出し、みんな元気に振舞っていなければ倒れてしまうようで、気合いが必須の現場でした。高校野球のスパルタ教育で鍛えた私ですら本当に良く続いたと思います。その反面、体の芯からカラカラになった後、作業が終わって仲間と冷たいビールを飲んで仕事の話や将来の話で盛り上がったことも忘れられない思い出の一つです。

佃煮工場に革新を起こす新製法の導入

生産本部 中嶋研二

そんな折、マルヤナギが独自で開発した業界初の低温浮かし炊き製法の導入が、佃煮工場を画期的に革新しました。
湯気がたたない、混ぜなくても焦げない、硬さや味のバラツキがない、低温なのでこげ臭のないまろやかな味など、全てが私たちの常識を変えたのです。

ただし、機械化はしても創業当時から汗にまみれて佃煮を炊いてきた多くの先輩達によって培われてきたノウハウやこだわりは脈々と引き継がれていきます。
それらを一歩も譲歩せず最新設備の自動プログラムに組み込むように工夫したことで、マルヤナギの味を今も継承しているのです。

味と共に安心安全を徹底する最新鋭工場

佃煮の自動計量機
衛生面に配慮した作業環境

1990年代の終わりに、私は佃煮新工場(現在の大門工場)の建設に携わることになりました。安全安心を求める時代の強い要請をクリアする最新鋭の工場です。品質の良さをご評価いただいて増産に次ぐ増産を繰り返してきた自慢の低温浮かし炊き設備がずらりと並びました。また、従来製法の釜も品質の良いものを丁寧に炊くことができる小さい釜がずらり、釜場の空気の流れや換気への工夫を取り入れたことで作業環境は見違えるようになりました。衛生面でもたくさんの工夫が行われ、菌の制御もしっかりできています。低塩低糖がますます重要になるなか、お客様にきっと安心していただけると思います。

佃煮は歴史があるがゆえに、変えがたいというイメージがありましたが、確実に進化しています。それは設備だけではなく作業環境も含めた革新です。時代が変わっても引き継いでいかなければならない味を、いつも柔らかい発想とみんなの知恵の結集で守ってゆきたいと思っています。

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