マルヤナギ(株式会社マルヤナギ小倉屋)

「松福」誕生

おいしさへの挑戦は厳しい原料選びから

開発本部 岡本一郎
開発本部 岡本
開発本部 右馬野弘之
開発本部(当時)右馬野

スタート時の目標は「最高の原料を使って、どこにもないおいしい松茸昆布」を作ることでした。
まず取りかかったのは原料の調達。味の決め手となるたまり醤油の詳細情報を得るため、愛知県の知多半島まで出向いたり、あちこちのメーカーから実に多種類のたまり醤油を集め、その中からコレだという一つを選びました。
昆布は、高級出し昆布にも使われるほど味の良い道南産の天然真昆布を選んだものの、採れる浜が少し違うだけで微妙に味が変わるため、浜の範囲を正確に指定できるまで何年もかかりました。
また、昆布の味を引きたてる山椒は、大粒で香りが良い「あさくら山椒」を京都の市場で毎年調達するため仲買さんと充分に話し合い、しっかり要望を理解していただきました。
松茸の仕入は長年扱ってきただけにお手のもの。品質の良い原料を産地の安心できる工場で専用に加工してもらうことにしました。

産地視察で作柄に合わせた選別・管理

松福を炊く
「松福」炊き手 神田"
「松福」炊き手

ようやく原料が揃うと、いよいよ味作り。
最初はミニテストです。毎日毎日たくさんのガスコンロを使って、すべての調味料の質の吟味、組み合わせなど何度も微妙なバランスで試作を繰り返しました。なかなかスムーズには進まなかったのですが、ようやく目指す味ができて生産現場でテスト煮熟の段階に入りました。
ところが、できあがった試作品の風味・色合い・つや・食感など「違うなぁ…」ということで、またやり直し。ミニ鍋での試作から、今度は現場の釜とにらめっこです。

テストは繰り返し続きました。その中で、折角の素材の良さを生かすためには、少量ずつ時間をかけてじっくり炊き上げるのが基本であることに改めて気づかされました。
手間隙かかっても、当たり前のことを当たり前に、料理の基本をしっかり抑えて、理にかなうように積み重ねてゆくことが「本物のおいしさ」を作る決め手であることを再認識したのです。
紆余曲折を経てたどり着いた工程は、従来の私たちの仕事とは全く違ったものでした。わずか6kg炊き上げるのに、小さい釜で材料の仕込から仕上がりまで一釜一釜丁寧に手入れして2泊3日もかかるという、とてつもなく手間のかかるものなのです。

なるほどこうすればおいしい佃煮ができる、多くの手間がかかっても「日本一の松茸昆布を炊こう!」と、現場の炊き手達の心意気にも力強く後押しされて、さぁ「松福」の完成です。

松福炊き途中

松福炊き途中

予想以上に大反響・水産庁長官賞の受賞

松福
全国水産加工たべもの展 水産庁長官賞 盾

味には絶対の自信を持っていたものの、発売と同時に予想以上に大好評となりました。お客様には見えないはずの手間隙が、確かに伝わっているかのようです。

増産に次ぐ増産で、本来地味なはずの佃煮がこれだけ売れるのかというほどのヒット商品になりました。店頭を歩きながら何気なく試食したお客様が、通り過ぎてからしばらくしてお店まで戻ってきて「とてもおいしいから買います」と言っていただく光景が全店で続出しました。平成12年の全国水産加工たべもの展では、見事に水産庁長官賞を頂きました。これすべて、本物のもの作りをまじめに実践してきた努力の賜物であると思っています。

地味な努力でもお客様は必ず評価していただける。「松福」の開発は、私達のもの作りに自信を与え、進むべき方向性を示していただけた貴重な開発となりました。

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